お通じが悪くなり、腸内に便が溜まってしまう便秘。単純に便が出ないというだけならまだしも、長期間放置すると他の症状が現れることもあります。中でも意外と危険なのが「吐き気」です。便秘のせいで吐き気を催すとは想像できない方もいるかと思いますが、実は便秘の症状が進行すると吐き気を催すケースがあります。そんな仕組みをご紹介しましょう。
便秘の仕組み
便秘は大腸などに便が溜まり、通常通り体外に排出されない症状をいいます。その原因はいろいろなことが考えられますが、ここでは吐き気につながるケースの便秘について考えてみましょう。
大腸のぜん動運動がポイント
通常、便は大腸が収縮する「ぜん動運動」により大腸の中を動き、大腸により水分を吸収して固形化されていきます。このぜん動運動の強さや弱さが便秘や下痢といった症状で現れます。
ぜん動運動が激しいと、大腸の中で十分に水分が吸収されないまま排便されることになり、いわゆる下痢になります。ぜん動運動が弱い場合、便が大腸の中を動くことが少なくなり、水分は吸収され過ぎて大腸の中で硬くなってしまいます。便が硬いうえに、ぜん動運動が弱いということは排便がされづらくなり、便秘になります。
交感神経と副交感神経
この大腸のぜん動運動を司るのが、交感神経と副交感神経です。この2つのバランスがいいと、大腸は通常通りの働きをするため、排便の異常は出にくくなります。
交感神経が過敏になっていると、大腸のぜん動運動は弱くなり、便秘になりやすくなります。交感神経が過敏になるというのは、疲れが溜まっていたり、ストレスを感じたりしているときに出やすい傾向にあります。
副交感神経が過敏になると、大腸のぜん動運動は激しくなり、排便は下痢になりやすくなります。
便秘が原因で吐き気を催すメカニズム
では、便秘から吐き気を催すメカニズムを説明していきましょう。もちろんここで紹介するのがすべてではありませんが、一番目立つメカニズムを解説していきましょう。
便が大腸に長期間溜まると
ストレスなどが原因で、大腸のぜん動運動が弱まると、大腸の中に水分の少ない硬い便が溜まってしまいます。この溜まっている期間が長期間にわたると、いわゆる腸閉塞に近い状態になります。
腸閉塞から吐き気へ
腸の一部に硬い便が溜まり、大腸をふさぐ形になると、大腸や小腸、胃などで発生したガスの逃げ場がなくなります。こういったガスが肛門から出せないとなると、出口は口しかありません。
便秘が原因で吐き気を起こす場合、同時にゲップなどが増える傾向にあります。つまり大腸の動きが悪くなる、大腸の中で便が固まる、固まった便が大腸をふさぐ、逃げ場をなくした体内のガスが口から出る、という流れで吐き気につながっていきます。
糞便腸閉塞になってしまったら
一般的に腸閉塞と聞くと、開腹手術のときに起こるイメージがあるかもしれません。しかし、長期間の便秘が原因で発症することもあります。これを糞便腸閉塞といいます。
まずは病院で相談を
普段から便秘気味であることを自覚しており、ゲップや吐き気がある場合で、ゲップや吐しゃ物から排せつ物の臭いがするようであれば、糞便腸閉塞の可能性は高いです。この場合はとにかく病院へ急ぎましょう。
腸閉塞を起こすほどの便秘の場合、市販の薬が解決できるレベルを超えていますので、病院できっちり治療してもらう必要があります。治療法はとにかく宿便の排泄を促すのが一般的です。
手術などをするケースは少ないものの、短期間の入院になるケースはあるようです。
便秘で吐き気を催さないように
男性と比較して女性のほうが便秘の方は多いといわれています。これは大腸の形に原因があります。男性と比較して、子宮など下腹部に多くの器官をもつ女性は、大腸が鋭角に曲がっていることが多く、便が溜まりやすい構造であることもひとつの原因といわれています。
とくに女性に多いのですが、長年便秘で悩んでいる方は、便秘に慣れている方が多いようです。数日排便がなくても「こんなもの」と放置する傾向があり、この放置が続くと最悪の事態を引き起こすことにつながるわけです。
吐き気を催して入院などにならないようにするためには、日常からできるだけ排便をする努力を続けることが重要です。ストレスを溜めない、食物繊維や水分を多く摂る、腹筋を鍛えるなど、便秘に効果のある習慣はいろいろとあります。
便秘に慣れずに、このような習慣を意識するようにしましょう。
まとめ
便秘は単に便が出ないだけではありません。長年便秘が続くと、ほかの症状が出たり、ほかの疾病につながったりする可能性もあります。
のざき薬局では、便秘に効果のある市販薬はもちろん、漢方の力で便意を解消する薬や、酵素やバイオの力で宿便を排出する薬なども豊富に取りそろえています。
長年の便秘に悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。専門知識の豊富なスタッフが、お客様に適したお薬を提案させていただきます。
