便秘の薬と効くとどんなイメージがありますか？お腹が痛くなったり、慣れると効かなくなったりするなど、ネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、中には便秘薬を飲んだのに効果がなかったという方もいらっしゃるはずです。
一言で便秘薬といっても、含まれている成分によって効果は変わってきます。そんな便秘薬の種類と、効果の違いについて解説していきます。
便秘薬のタイプは？
便秘薬にはいろいろなタイプがありますが、まずは摂取する方法に違いがあります。もっとも多いのはご存じのとおり経口薬、つまり錠剤です。錠剤以外ですと直腸に直接薬液を注入する浣腸、坐薬というタイプがあります。
それぞれに含まれる薬剤や効果の違いがありますので確認していきましょう。
タイプ別で痛みや習慣性に差が
便秘薬にはいくつかの薬効があり、薬効により痛みや習慣性が違います。薬効別にいくつか特徴を確認しておきましょう。
「緩下剤」は緩やかな効果が期待できる下剤です。痛みや習慣性は低いものの、即効性が低いため、ある程度継続して服用するタイプもあります。「便秘薬を飲んだけど効かなかった」というのはこのタイプの便秘薬かもしれません。
同じ下剤でも比較的痛みや習慣性が強くなるのが「刺激性下剤」と呼ばれる種類です。即効性があるため、多くの方が使用経験のあるタイプかと思いますが、使用頻度が高くなると効きにくくなってしまいますので注意しましょう。
最後に肛門付近に便が固まっているときに有効な浣腸があります。
では次に、便秘薬のどこを見れば、どんな効果が期待できるのかを知るために、成分による効果を細かく見ていきましょう。
便秘薬の成分別の効果
便秘薬にはいろいろなタイプの成分が含まれていますが、そんな成分の中から特徴的な成分をいくつかご紹介します。便秘薬を選ぶ際は、薬の成分を確認し、どのような効果が期待できるのかを確認してから購入しましょう。
マグネシウム系
成分に「酸化マグネシウム」、「硫酸マグネシウム」、「水酸化マグネシウム」など、マグネシウムを含んでいる便秘薬は、いわゆる緩下剤の部類に含まれます。マグネシウム系を含んだ便秘薬は、大腸による水分吸収を抑え、その水分を大腸内にある宿便に含ませ、宿便を柔らかくして出しやすくする薬になります。
大量の水分を必要としますので、服用時は多めの水分を摂ることを心がけてください。
DSS
DSSとは「ジオクチルソジウムスルホサクシネート」という非常に長い名前の成分です。マグネシウム系と似た薬効ですが、より緩やかに効果を発揮するタイプの成分で、長期間の連続使用に向いている便秘薬です。
効果が非常に緩やかなため、多くの場合は他の下剤とともに使用されます。また、副作用がほぼないため、妊婦さんでも安心して使用できるタイプといわれています。
ビサコジル・ピコスルファートナトリウム水和物
いわゆる刺激性下剤と呼ばれる種類に分類されるため、多少痛みを伴う便秘薬です。ビサコジルは腸全体に、ピコルスファートナトリウム水和物は大腸に効果を発揮します。効果としては腸の副交感神経に働きかけて腸の動きを活性化します。
刺激が強いタイプになりますので、妊婦さんにはあまりオススメできません。
グリセリン
グリセリンは保湿剤の成分としても知られていますが、いわゆるイチジク浣腸に含まれている成分です。腸の動きを活性化するうえに、宿便にも浸透し、便を柔らかくする効果もあります。
ナトリウム系
「炭酸水素ナトリウム」や「無水リン酸二水素ナトリウム」は、坐薬の便秘薬に含まれる成分です。肛門から挿入することで、炭酸ガスを発生し排便を促します。直腸付近に便がたまっているケースなどで大きな効果を発揮します。
まとめ
今回は、漢方薬を除いた便秘薬についてその薬効やタイプなどをご紹介しました。便秘薬にはいろいろなタイプがあり、便秘の症状や体調、服用している別の病気の薬などによって使い分ける必要があります。
ひとつ注意していただきたいのは、ここでご紹介したのは「一般的な意見」になります。実際に使用する場合は、薬剤師などの専門家がいる薬局などで、専門家の意見を聞きながら選ぶようにしてください。
とくに妊娠中であったり、持病があったり、アレルギーがある方は、薬に関しては慎重に選択する必要があります。専門家の意見を聞いてから選びましょう。
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