酵素という言葉を聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。教科書で読んだとか、何となく健康に関わることはわかっていても、いまいちどのようなものかわかっていない方も多いのではないでしょうか。酵素というものは体内の化学反応など、生命を維持し促進するためのほとんどの活動に関わる、重要なものです。今回はそんな重要な酵素の中でも、野菜から摂れる酵素について解説します。
「酵素」とは？
まず酵素とはどういったものかを簡単に振り返っていきましょう。
酵素とは簡単にいうならば「生命活動、生命維持に必要な化学反応を起こすために必ず必要なもの」であり、つまりは我々人間が生きていくために必要なものです。少しだけ専門的な表現を使うとするならば、細胞内、細胞間の化学物質を働かせるための触媒としての役割をもっているのが酵素です。
酵素には簡単に分けると2種類があります。元々身体の中にある「体内酵素」と、食品などの人間が摂取するものに含まれる「体外酵素」です。体内酵素にはさらに、「消化酵素」と「代謝酵素」があります。簡単に説明すれば、消化や吸収を促すものが消化酵素で、運動、呼吸、血行などの新陳代謝促進、免疫力アップなどを図れるものが代謝酵素です。
「体外酵素」の役割とは？
酵素は、先程も説明したとおり、元々体内にも存在します。我々人間のみならず、動物や魚、植物、菌類など、生きているものすべてに酵素は存在します。体内に元々存在する酵素をわざわざ体外から摂取する必要はあるのかといわれれば、必要と答えられます。
なぜかといえば、人間が身体の中で作れる酵素の量には限りがあるからです。体内の酵素は潜在酵素ともいい、消化酵素も代謝酵素も元々同じ潜在酵素という同じリソースの中から、一定量が作られています。そのため、体内の働きに特化した酵素をできる限り体内酵素として働かせると、より健康を維持できる可能性が高まります。
要するに、本来の役割に対して充分な供給を与えるためには、積極的に体外酵素によって量を補うべきといえます。特に消化酵素は体外から補えることが多いので、その充足分を代謝酵素に回せます。つまり体外酵素の役割というのは体内酵素の、特に消化酵素のサポートにこそあるので、足りない分は、できる限り体外から摂り入れるのが大切です。
「酵素」を多く含む野菜とは？
それでは、酵素を多く含む野菜の例を見ていきましょう。
特に野菜に含まれる酵素は、胃腸の働き、摂取した食物の消化や栄養吸収において重要な働きをするものが多いといえます。たとえば大根にはジアスターゼ（デンプンを糖化する酵素。唾液に含まれるアミラーゼと同じもの）、アボカドにはリパーゼ（脂質を分解する酵素）、青パパイヤにはパパイン（タンパク質を分解する酵素）などです。
酵素を多く含む野菜は大根のほかにも、レタスやキャベツ、セロリなどがあります。酵素は加熱してしまうと働きを失うものも多いので、できる限りこれらの野菜を生で食べることをオススメします。
ほかにも、発酵食品である納豆やキムチもオススメです。なぜかというと、発酵という行程をすでにたどっている発酵食品は、酵素が酵素として働きやすく分解された状態となっているからです。
先程の説明では、体外酵素がそのまま体内酵素のサポートをするといっていますが、正確には体内酵素により最小栄養単位までに分解されなければ、酵素は酵素として利用できません。発酵食品は最初から酵素を酵素として利用できる状態で摂取できるので、非常に合理的です。
効率よく摂取するには「すりおろし」がオススメ！
酵素は、基本的には生物の細胞の中にあるものです。そうした酵素を植物から効率よく摂取するうえで、最もオススメするのは「すりおろし」です。すりおろすことで野菜の細胞壁を壊し、細胞組織をむき出しにさせるほうが摂取しやすくなるというのは、容易に想像がつくのではないでしょうか。
また「すりおろす」ことによって、より酵素が活性化するという意見もあります。そのため、生のままの状態で摂取するよりも、結果的に多くの酵素を摂取できる可能性もあるということです。
そのうえ「すりおろす」という行程を経ることで、「食べやすくなる」というのも大きなメリットです。すりおろして食べる野菜といえば大根、果物ではリンゴなどがありますが、リンゴのすりおろしは体調不良でも食べられたという人も多いのではないでしょうか。
特に生野菜は量を食べるのが非常に大変なので、すりおろし、果物と混ぜてスムージーにするなどして摂取すると、よりおいしく、より効率的な酵素摂取へつながります。
まとめ
以上、体外酵素の重要性や、野菜に含まれる酵素について、酵素を合理的に摂取する方法も含めて一通り説明しました。酵素は生命活動にとって非常に重要で、生きていくうえで欠かせないものです。
酵素を取り入れるなら、「新鮮であること」、または「発酵されていること」が非常に重要です。近年ではそのふたつを同時に満たす「発酵飲料」という、数十種類にも及ぶ野菜や果物やキノコなどを熟成して作る特殊な飲料も開発されていますので、そうしたもので酵素を補うのもよいでしょう。
「のざき薬局」でも、発酵飲料を取り扱っています。そのほか漢方や処方箋薬など、対面販売を重視し、調剤薬の処方から漢方薬の販売などを行いながら、さまざまな健康に関する相談に応じています。ぜひ一度ご来店ください。
