酵素と言えば、身体のあらゆる作用に関係するタンパク質で、生命に関わる重大な身体内のさまざまな働きや作用に関係している非常に大切なものです。そんな酵素に美肌効果もあるという話をご存じですか？酵素は、あらゆるものに関係するオールラウンダーです。今回は、酵素が肌にどう関係するのか、酵素で美肌になるための方法などを解説します。
そもそも「酵素」ってなに？
そもそも酵素とはなにか。まずはそれを軽く振り返っていきましょう。
酵素とは、体内のさまざまな化学反応を起こしている物質で、あらゆる化学反応の「触媒」とも言われています。つまり、酵素なしであらゆる作用や反応は起こり得ません。酵素の働きにはさまざまなものがあり、たとえば摂取した食物の消化吸収、血液の循環や運動機能、呼吸系、体内の新陳代謝や免疫系などさまざまな体内の動きに際して酵素が関係してきます。
酵素には主に3種類存在し、体内で生成される酵素はざっくり分けて「消化酵素」と「代謝酵素」に別れます。消化酵素はその名のとおり食べ物の消化や、分解した食べ物からの栄養素の吸収に大きく関わる酵素です。代謝酵素は、体内のさまざまな新陳代謝に関わる酵素です。主に循環器系、呼吸器系、運動系、免疫系における代謝の促進につながる作用を生み出します。
酵素と肌の関係とは
酵素と肌はそもそもどういう関係性があるのでしょうか。
酵素も肌も、基本的には身体の新陳代謝が状態に大きく関係するという共通点がありますが、酵素は「作用自体を引き起こすもの」であり、肌は「その作用の結果を客観的に状態として把握できるバロメーター」で、質としてはちょっと違ったものです。
基本的に酵素として肌に関係するのは、上記3種類のうちでは「代謝酵素」です。肌は新陳代謝とリンクしていて、代謝が悪ければ状態は悪くなりますし、代謝がよければそれだけ血色はよくなります。
酵素により美肌になるとされる仕組みとは
先の説明からも簡単にわかることではありますが、すなわち、「代謝酵素」の働きが活性化し、身体内の新陳代謝が促進され、血液循環も活発化すれば、それだけ肌の状態もよくなります。全身にくまなく血液が流れ、代謝が促進されればされるほど肌の循環もよくなり、どんどん古い角質から新しい皮質へと生まれ変わっていきます。
肌が定期的に新しいものと生まれ変わる周期を「ターンオーバー」と呼ぶのですが、おおむね普通の状態では個人差こそあるものの28日〜56日くらいかけて、古い肌から新しい肌へ生まれ変わるのだそうです。
このターンオーバーを正常な状態に戻す働きがあるのが、すなわち「代謝酵素」であって、酵素により美肌になることの理屈の根幹にあるのは、この代謝酵素の促進を図ることにあるのです。
酵素で肌を良くする方法とは？
それでは、酵素で肌をいい状態にする方法は具体的にはどういうものなのでしょうか。
「消化酵素」を減らす
まず、代謝酵素と消化酵素は同一のリソースから、一定量だけ生み出されるものであることはご存じでしょうか。潜在酵素と呼ばれる同じ酵素から、代謝酵素と消化酵素が一定の量、一定の割合で生まれるのですが、その割合は必要に応じて変わります。
つまりどういうことかと言うと、代謝酵素を増やせば消化酵素は減り、消化酵素が増えれば代謝酵素が減ります。肌の状態に関わるのは代謝酵素なので、これを増やせばいいわけなのですが、残念ながら消化酵素は外部からの摂取で増やせても、代謝酵素は外部からの摂取で増やすことができません。
そのため、必然的に「消化酵素を減らす」ことが美肌の近道になります。消化酵素を減らす方法には、ファスティング（断食）や酵素ダイエット、糖質制限などの置き換えダイエットにより食事の回数や量を減らすなどがあります。
酵素洗顔をする
近年では洗顔に酵素を取り入れた「酵素洗顔」という方法もあります。酵素洗顔の酵素には2種類あって、「蛋白質分解酵素」と、「脂質分解酵素」があります。タンパク質分解酵素は古い角質を分解し除去する作用があり、脂質分解酵素にはオイリー肌にありがちな角栓や毛穴詰まりの除去、ぼつぼつ毛穴対策に効果が期待できます。
酵素の働きが強すぎると、敏感肌の人の場合、過剰に働いてしまうこともあるようなので気をつけましょう。低刺激のものや、保湿成分が含まれている洗顔剤を選ぶといいでしょう。
まとめ
以上、酵素と肌の意外な関係を、酵素と肌の特性から具体的な美肌効果が期待できる方法までを含めて一通り解説してきました。肌は新陳代謝のバロメーターでもありますから、酵素で肌質改善というのもわからなくはないのですが、酵素の特性、お肌の特性、それぞれをちゃんと理解していないとうまくいかない場合もありうるので、気をつけましょう。
「のざき薬局」では、処方箋による医薬の調剤のみならず、酵素や漢方といったさまざまなアプローチで健康と向き合っています。対面販売を基本とし、多様な健康相談にも応じてくれますので、ぜひ一度ご来店してみてはいかがでしょうか。
